EUが死刑廃止を日本に迫ることは絶対おかしい。死刑制度のないEUは日本より治安が良いのでしょうか? 死刑がないから死人がでないわけではありません、日本と違って凶悪犯には裁判なしで銃殺することが多いのです。EUにも本音と建前があります。
EUの駐日代表部が日本政府への死刑執行停止の導入を訴える声明を出しました。
元のニュース記事
★欧州連合(EU)の駐日代表部は6日、加盟国の駐日大使らと連名で、日本政府に執行停止の導入を訴える共同声明を発表した。死刑撤廃を加盟の条件とするEUは国際社会でも死刑廃止を目指している。
出典:毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180707/k00/00m/030/048000c
★EUの声明原文↓(英語・日本語)
https://eeas.europa.eu/delegations/japan/48046/node/48046_en
結論から言って、EUが日本の内政に口を出すのは行き過ぎている。
内政過干渉である。
この件に対して私が怒りを覚えるのはEUが日本を軽く見ている、と明らかに感じるからだ。
まず日本ははっきり言ってEUより治安が良い。
なぜ治安が良い日本が治安の悪いEUにならう必要があるのか。
EUは現在EU加盟国は現在28カ国、イギリスが正式に脱退すれば27カ国となる。
改めてまとめるとEU加盟国は以下の通りだ。
ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン、(イギリス)
日本とEUの治安について調べたのでまとめる。
まず、何をもって治安が良い、と定義するのか?
今回は殺人件数の数で治安の良さをはかろうと思う。
もちろん、殺人以外にも凶悪犯罪はあるが、凶悪犯罪とは何なのか国によって定義が違う。
殺人事件は人の命を奪う行為であり、3人以上の人命を奪った場合、日本では死刑になる可能性が高まる。
複数人の殺人事件では死刑が求刑されることがあるし、人間の命を奪う、という行為が最も卑劣な行為なので今回は殺人事件の数と殺人事件当たりの人口の割合で治安の良さを考えることにした。
わかりやすく殺人の数で、と思っていたが、
そうすると人口の多い国の方が不利になってしまうので、人口と殺人事件の割合も見ていこうと思う。
まず殺人事件数の多い順での世界ランキングで比べる。
世界で一番殺人事件が多いのがブラジルでなんと6万件以上も殺人事件が起きている。あまりにも多い。
日本が90位だったため、ランキングは100位まで載せた。
結構長いのでこの中から抜粋して語っていきたい。
1 |
|
29.53 |
61,283 |
Americas |
South America |
2016 |
2 |
|
3.22 |
42,678 |
Asia |
Southern Asia |
2016 |
3 |
|
19.26 |
24,559 |
Americas |
Central America |
2016 |
4 |
|
33.97 |
19,016 |
Africa |
Southern Africa |
2016 |
5 |
|
9.85 |
17,843 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
6 |
|
56.33 |
17,778 |
Americas |
South America |
2016 |
7 |
|
5.35 |
17,250 |
Americas |
Northern America |
2016 |
8 |
|
10.82 |
15,561 |
Europe |
Eastern Europe |
2016 |
9 |
|
25.5 |
12,402 |
Americas |
South America |
2016 |
10 |
|
11.02 |
11,385 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2016 |
11 |
|
13.55 |
10,322 |
Africa |
Middle Africa |
2015 |
12 |
|
0.62 |
8,634 |
Asia |
Eastern Asia |
2016 |
13 |
|
4.41 |
8,516 |
Asia |
Southern Asia |
2016 |
14 |
|
7.56 |
7,552 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
15 |
|
82.84 |
5,257 |
Americas |
Central America |
2016 |
16 |
|
56.52 |
5,150 |
Americas |
Central America |
2016 |
17 |
|
27.26 |
4,520 |
Americas |
Central America |
2016 |
18 |
|
11.52 |
4,473 |
Africa |
Eastern Africa |
2014 |
19 |
|
2.5 |
4,035 |
Asia |
Southern Asia |
2015 |
20 |
|
6.95 |
3,746 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
21 |
|
9.85 |
3,339 |
Asia |
Western Asia |
2013 |
22 |
|
4.31 |
3,216 |
Asia |
Western Asia |
2012 |
23 |
|
6.34 |
2,845 |
Europe |
Eastern Europe |
2014 |
24 |
|
11.63 |
2,688 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
25 |
|
5.94 |
2,605 |
Americas |
South America |
2016 |
26 |
|
7.67 |
2,435 |
Americas |
South America |
2016 |
27 |
|
4.87 |
2,363 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
28 |
|
3.24 |
2,229 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2016 |
29 |
|
2.51 |
2,207 |
Africa |
Northern Africa |
2012 |
30 |
|
6.35 |
1,948 |
Asia |
Southern Asia |
2012 |
31 |
|
2.47 |
1,936 |
Asia |
Southern Asia |
2014 |
32 |
|
10.9 |
1,905 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
33 |
|
7.69 |
1,863 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
34 |
|
6.66 |
1,703 |
Asia |
Western Asia |
2013 |
35 |
|
5.16 |
1,702 |
Africa |
Northern Africa |
2008 |
36 |
|
15.18 |
1,616 |
Americas |
Caribbean |
2016 |
37 |
|
13.9 |
1,504 |
Africa |
Eastern Africa |
2012 |
38 |
|
1.52 |
1,358 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2011 |
39 |
|
47.01 |
1,354 |
Americas |
Caribbean |
2012 |
40 |
|
0.5 |
1,292 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2016 |
41 |
|
9.04 |
1,266 |
Africa |
Middle Africa |
2015 |
42 |
|
4.85 |
1,217 |
Africa |
Middle Africa |
2012 |
43 |
|
2.27 |
1,198 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2016 |
44 |
|
4.4 |
1,110 |
Asia |
Eastern Asia |
2015 |
45 |
|
7.38 |
1,105 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
46 |
|
8.82 |
1,067 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
47 |
|
10.04 |
1,033 |
Americas |
Caribbean |
2012 |
48 |
|
6.67 |
981 |
Africa |
Eastern Africa |
2012 |
49 |
|
5.85 |
959 |
Americas |
South America |
2016 |
50 |
|
19.76 |
913 |
Africa |
Middle Africa |
2016 |
51 |
|
41.25 |
897 |
Africa |
Southern Africa |
2015 |
52 |
|
4.17 |
880 |
Africa |
Middle Africa |
2012 |
53 |
|
5.3 |
853 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
54 |
|
4.81 |
853 |
Asia |
Central Asia |
2015 |
55 |
|
3.4 |
849 |
Africa |
Eastern Africa |
2011 |
56 |
|
3 |
831 |
Asia |
Central Asia |
2008 |
57 |
|
1.23 |
792 |
Europe |
Western Europe |
2016 |
58 |
|
1.2 |
791 |
Europe |
Northern Europe |
2016 |
59 |
|
4.44 |
788 |
Africa |
Western Africa |
2012 |
60 |
|
0.88 |
716 |
Europe |
Western Europe |
2016 |
61 |
|
10.42 |
713 |
Oceania |
Melanesia |
2010 |
62 |
|
6.3 |
686 |
Americas |
South America |
2016 |
63 |
|
18.51 |
679 |
Americas |
Caribbean |
2016 |
64 |
|
9 |
668 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
65 |
|
6.18 |
654 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
66 |
|
6.02 |
635 |
Africa |
Eastern Africa |
2016 |
67 |
|
2.11 |
627 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2013 |
68 |
|
2.16 |
627 |
Asia |
Southern Asia |
2016 |
69 |
|
3.46 |
620 |
Americas |
South America |
2016 |
70 |
|
9.29 |
617 |
Americas |
South America |
2015 |
71 |
|
1.68 |
611 |
Americas |
Northern America |
2016 |
72 |
|
4.31 |
599 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
73 |
|
11.9 |
578 |
Americas |
Central America |
2016 |
74 |
|
4.99 |
572 |
Americas |
Caribbean |
2016 |
75 |
|
1.36 |
542 |
Africa |
Northern Africa |
2015 |
76 |
|
2.55 |
530 |
Asia |
Southern Asia |
2016 |
77 |
|
1.5 |
472 |
Asia |
Western Asia |
2015 |
78 |
|
7.01 |
467 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2015 |
79 |
|
9.32 |
466 |
Africa |
Middle Africa |
2015 |
80 |
|
2.2 |
463 |
Asia |
Western Asia |
2010 |
81 |
|
7.37 |
453 |
Americas |
Central America |
2016 |
82 |
|
1.24 |
431 |
Africa |
Northern Africa |
2015 |
83 |
|
1.68 |
423 |
Africa |
Western Africa |
2011 |
84 |
|
30.88 |
420 |
Americas |
Caribbean |
2015 |
85 |
|
9.94 |
416 |
Africa |
Western Africa |
2015 |
86 |
|
0.67 |
400 |
Europe |
Southern Europe |
2016 |
87 |
|
8.04 |
390 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
88 |
|
9.67 |
390 |
Americas |
Central America |
2016 |
89 |
|
17.14 |
388 |
Africa |
Southern Africa |
2012 |
90 |
|
0.28 |
362 |
Asia |
Eastern Asia |
2016 |
91 |
|
0.7 |
356 |
Asia |
Eastern Asia |
2016 |
92 |
|
3.58 |
340 |
Europe |
Eastern Europe |
2014 |
93 |
|
3.05 |
332 |
Africa |
Northern Africa |
2012 |
94 |
|
0.69 |
323 |
Europe |
Southern Europe |
2016 |
95 |
|
15.04 |
303 |
Africa |
Southern Africa |
2010 |
96 |
|
2.52 |
293 |
Africa |
Eastern Africa |
2015 |
97 |
|
1.7 |
279 |
Africa |
Eastern Africa |
2012 |
98 |
|
1.84 |
268 |
Asia |
South-Eastern Asia |
2011 |
99 |
|
4.49 |
267 |
Asia |
Central Asia |
2016 |
100 |
|
7.69 |
265 |
Americas |
South America |
2016 |
出典:
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_intentional_homicide_rate
EUの中で人口の多さ、経済的中心国はドイツであるし、私がドイツ在住ということもあり
EUの中でもドイツと日本の治安を比較していきたい。
年間辺り
日本は 362件の殺人事件(2016年)
ドイツは716件の殺人事件(2016年)
である。ドイツの方がおよそ2倍の殺人事件の件数である。
件数だけではなく国民の人口も考慮すべきだ。
そして最初に言っておくが、日本の方が人口は多いのだが殺人事件の件数は少ない。
本当に日本は治安が良い。
日本の総人口は1億2700万人(2016年)
ドイツの総人口は8267万 (2016年)
そして人口当たりの殺人事件率の割合で考えると
日本は0.28
ドイツは0.88、
つまり、約3倍ドイツの方が人口当たりの殺人事件の割合が高い。
ドイツ人は自分の国の治安の良さについて誇りを持っている。
そのドイツよりも治安が良いのが日本なのだ。
ランキングの件数が多い順、少ない順に並びなおしたり、割合で並びなおしたりが元のランキングページだと簡単にできる。
原文のページはコチラ:
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_intentional_homicide_rate
このランキングのページにいき、
ソートボタン(矢印の上下のボタン)を押すとランキングを変えられる。
例えば、
殺人事件の数のランキングが見たければcountの下の矢印を、
人口当たりの殺人事件の割合のランキングが見たければRateの下の矢印(オレンジで囲ったところ)を押せば順番が簡単に変えられる。

ここで殺人事件の割合が低いトップ3、
つまり治安のよさトップ3はヨーロッパの国であることについても述べていきたい。
アンドラ、サンマリノ、モナコ、は治安もよいとされ殺人件数もほとんどない。
だが国の規模に注目したい。
これらの国はどの国も人口が少ない。
アンドラの総人口は7.7万
サンマリノの総人口3.3万
モナコの総人口3.8万
もちろん治安の良さについて学ぶこともあるだろう人口が少なすぎる。
結論として
人口の少ない国は殺人事件が少なく治安が良い。
ただしEU全体でみると日本より治安が良いとは言えない。むしろ悪い。
EUが死刑廃止をした理由について授業で話を聞いたことがある。
その時に死刑というのは人の人命を奪う行為であり、究極の人権侵害であり野蛮である。
また、ヨーロッパは魔女裁判で無実の人の命を奪った経験から学ばないといけない、と話していた。
クラスで死刑制度について話をしたことについては今度詳しく書こうと思っているが、
クラスメートの中でも死刑制度への賛成・反対は意見が分かれていた。
死刑を声高に野蛮だ、という人もいるが
ヨーロッパのようにテロリストや犯罪者を見つけたら現行犯で簡単に銃殺するほうがよっぽど野蛮である。
善良な市民である限り死刑が求刑される犯罪者は敵である。
一生のうちに、
死刑が求刑される犯罪者になるか? 被害者になるか?
善良な市民である限り、死刑が求刑されるほどの罪を犯すより
突然の事故や事件に巻き込まれる、そっちの方がありえそうだ。
ニュースで幼い少女の殺人事件や無差別殺人を見たときに
被害者の思い、家族の思いを考えたらとても耐えられない悲しみを感じる。
なにも悪いことをしていないのに、なぜ? という気持ちでいっぱいになってとても加害者を許せない。
もし被害者の家族であればなおさら許せないだろう。
EUは死刑制度の廃止と言っている割に
テロリストや犯罪者をその場で銃殺する。
建前としての死刑はなくとも現場での死刑は行われている。
犯人に裁判も与えず、一方的に、だ。
日本はできるだけ犯罪者の身柄を確保する。
日本は裁判が必ずあり、犯罪者には国選の弁護士が必ずつくし、黙秘権もある。
冤罪であるならそれをはらすための裁判も最高3回行える。
結論
死刑制度は命の問題と直結しており、難しい議題だ。
ただ善良な市民の立場として、
市民の暮らしを命を奪うという形で、突如として人の命を奪う行為は許されないものだ。
もちろん、冤罪によって罪のない人が死刑になることも許されない。
では、罪を犯した人は命をもって償うべきなのだろうか?
それについては意見が分かれるだろう。
被害者の家族は加害者が死刑になって少しは救われたかもしれない、
もしかしたら冤罪で死刑を求刑され悔しい
私が今回ヨーロッパの声明文に苛立ったのはこんな繊細な問題にずかずかと土足で乗り込んできて、ただ死刑が野蛮だからやめろ、なんていわれたように感じたからだ。
私自身もこれからEUの裁判制度など細かく調べていく必要を感じている。
日本人の謙虚な心で相手を立てる、というのは素晴らしい美徳であるが、そういった日本人の穏やかさが、時として相手を調子に乗らせる。今回も日本だから、日本になら声明を出しても大丈夫、そういった意図を感じた。なぜ死刑制度が続いているにもかかわらずもっと治安の悪いアメリカには声明を出さないのか?大いに疑問である。
日本で死刑についての議論が深まることは必要だ。
法律や人権、人の生命の重さについて法律上はどう解釈されているのか、
それが妥当なのか、一般的な感覚から論じること、論じるにあたって興味を持つこと、知識をもつことは大事だと改めて感じた。
だが、これは内政の話であって、EUの駐日代表が口を出すのは明らかな内政過干渉である。
EUは建前として
死刑廃止をしているが、実際は裁判なしで銃殺をすることが多い。
本音は”凶悪犯を捕まえるためには銃殺もあり”だ。
それについてドイツ人に指摘すると驚かれ、犯罪者の裁判はコストがかかる。財源はどうするの? と尋ねられた。
税金と答えると、沈黙が下りた。
死刑制度がある、なし、裁判のある、なし、
どちらも文化的背景が異なり理由があるのだろう。
しかし
裁判なく犯罪者を銃殺するようなEUはまず自らの国の制度について省みることが必要なのではないだろうか。