香取慎吾のルーブル初個展に行ってみた! 正直な感想。

香取慎吾のルーブル初個展に行ってみた! 正直な感想。

SMAPのファンではない私ですが、香取慎吾さんの個展に行ってきました。香取慎吾さんの個展に日本から行った人の多くは香取さんのファンだと思います。
私はファンではありません。そんな私が正直に言った感想をつづります。

これは私のただの感想です。ただ絶賛しているわけではなく正直な気持ちを書いています。
ファンの方を不愉快にさせるつもりは毛頭ありません。
ただ自分が思うことを思うままに書きますので絶賛レビューを見たい方はブラウザバックを推奨します。

 

 

場所

パリ1区、ルーヴル美術館内の施設 Carrousel du Louvre(カルーゼル・ルーヴル)の Hall Charles V(シャルル5世ホール)

まず香取慎吾さんの個展が“ルーブル美術館”なのかがネットで話題を呼んでいる様子
ネットではルーブル美術館ではないのに事務所が勘違いをさせるように宣伝している、なんてことも書いてあります。

実際はどうなんでしょうか。
写真を使って検証をしてみました↓
香取慎吾ルーブル美術館は美術館内?外? メディアが嘘をついたって本当??実際に行って検証してみた

 

実際にルーブル美術館の中なのか外なのかは置いておいても
パリで個展をする、というだけでも本当に立派。素晴らしいです。

そもそもパリで個展をできるだけでもとっても立派です。

ただ場所は地下なので難しかったー。
多くの人が駅からルーブル美術館に向かう中
シャルル5世ホールを探すのは難しく一度ルーブル美術館についてからまた地下に戻り
係り員の方に聞いてたどり着きました。

おそらくシャルル5世ホールという情報だけ知っていて
グーグルマップを使った人なら苦労したのでは?

なにせ地下なのでグーグルマップの言う通り進んでもつけませんでした;;

立地

広い空間

地下とはいえそれなりに空間があって人の流れのある通路の隣のスペースで個展が開かれていました。
人の流れのある通路からときおり人が写真を撮ったり興味深そうに絵を眺めることのできる場所でした。

個展内容

会場といっても私が行ったときは大きな入り口といったものは特になく
横の通路からすっと入ってはまた抜けて、なんてことができるような解放感のある会場です

会場にはこういった大きな柱がありました。

香取さんの声明

作品の一部を写真に撮ったのでご紹介します。

なんかこわい

落ちそうな女の子

泣いてる

祈っているの

また作品とともに香取さんの作品制作中の様子をビデオにしたものが会場では流れていました。

制作秘話ビデオ

見に来てた人

7,8割が日本人だと感じました。特に女性が多かったです。
他1割がアート系の学生や芸術関係っぽい方、残りが通りかかった外国人、という印象でした。

多くの日本人客は女性でしたので、おそらく香取さんのファンなのでしょうか?
こういった異国の地、それもわかりずらいルーブル美術館の地下まで来てくれる人が多くいて香取さんは本当に愛されている、と感じます。

私は初日でもなく最終日でもなく中日の16時前後に訪れました。
写真の通り人はまばらでゆっくりと鑑賞できるような人数でした。

 

そもそもなぜ私が行ったのか?

一応書いておきます。
私は現在ドイツに住んでおり、本当に偶然なのですがドイツからフランスへのチケットをとった後に香取慎吾さんの個展があることを知りました。
ドイツからフランスは1時間半くらいで行けるので本当に近く、土日にちょっと遊びにいくこともできるような距離です。

たまたまネットニュースを読んでいた時に飛び込んできた、“ルーブル美術館” 香取慎吾初個展という言葉に
「あ、今度いくパリの話、というか香取慎吾ルーブル美術館で個展!? すご!!!」と思ってページを開きました。

ちょうどタイミングもいいですし
日本人がルーブル美術館で個展、というのが異国の地でも認められている、頑張っているという風に感じて
「同じ日本人として全く関係ながらも応援したいな」という気持ち、
「ルーブル美術館に認められた作品とはどんなものなんだろう?」という好奇心の気持ち
そんなことを思いながら会場に向かいました。

感想

モダンアートです。
ルーブル美術館にある古典的な絵画とは全く違います。
見た瞬間に感じる禍々しさは晩年のピカソのキュビズムのような感じにも一瞬思えたのですが、2秒見ると全然違う。
線・色の付け方が違うんですよね。

うーん芸術って難しい。。。

香取慎吾さんの作品はとがっていながらも少し不気味で鬱々としています。
なぜでしょう。
明るい色を使ったりカラフルな配色をしている作品でさえ
なにか私は不気味にも感じるのです。
禍々しいものを感じるというか…

テーマがNAKAMA des Artということだったのですが私は作品をみて仲間よりも孤独を感じました。
なぜテーマがNAKAMA des Artなのか。
とても絵画が仲間をテーマにして書いてあるとは思えないからです。
一般的に仲間、といえば暖かさや団結感を思い描くのだと思うのですが香取さんの作品は真逆。

 

この不思議なテーマにもしかしたら理由があるのかも、と会場を見ました。
それらしい案内を探すと…
最初の大きな柱のところにこんなことが。

コンセプト紹介

文字が小さいので文字を引用します。

展示内容は香取自身がそうであるように既成の枠にとらわれずあらゆる枠組みを超えていくものとなる。
「アートを題材にしてNAKAMAとつながりたい」というコンセプトのもとに製作された絵画とオブジェだけでなく、本人が手掛けたファッションや「“弱さ”が“強さ”」というコンセプトのもとに、フランス初上陸となる「ZUKIN【頭巾】を何個もつなぎ合わせたドーム型の形をとる「新しい建築」とのコラボレーション作品も紹介している

腑に落ちました。

絵画から受ける孤独感、悲壮感は香取さんが抱くもので、そういったものをもっているからこそ仲間を求めているのか、とやっとわかりました。
この個展はNAKAMAについての絵の個展ではなく、仲間を増やしたい、人とつながりたいという個展なのだと。

ネットで一時期話題になっていた香取さん独特の黒いウサギも随所に見られます。

なんかこわい黒兎

こういった言葉にできない恐ろしさ、不思議と迫りくる怖さ、不気味さというのが香取さんのアートの魅力なのかな、なんて思いました。

この個展の作品はタイトルがNo Titleばかり。
願望ですが私は題名をつけて欲しかったです。

この個展は香取慎吾、という人柄に興味を持って来ている人も多いので香取さんが何を思って書いて何を伝えたかったのか、
そんなものがほんの少しでも知れたらより話題になったのではないかと思いました。

例えばピカソの有名なゲルニカという作品。
これはスペイン内戦についてピカソが描いた作品で題名のゲルニカはスペインの地名“ゲルニカ”からとっています。

ゲルニカは白黒で表現された一面モノクロームのキャンバスには、人間のような目を持った闘牛の頭、その下には空爆の犠牲となった子供を抱えて泣き叫ぶ母親、狂ったように叫ぶ馬、天を仰ぎ救いを求める者など、逃げまどい苦しみ叫ぶ人々や動物の様子が描かれている。

左下で倒れている人物はピカソ自身であるという。
なお、闘牛や馬が意味するものとしては、牛をファシズム、馬を抑圧された人民とする解釈や、牛を人民戦線、馬をフランコ主義とする解釈などもあるようだ。

 

これに対してピカソはこう反論している。「牡牛は牡牛だ。馬は馬だ。・・・もし私の絵の中の物に何か意味をもたせようとするなら、それは時として正しいかもしれないが、意味を持たせようとするのは私のアイディアではない。君らが思う考えや結論は私も考えつくことだが、本能的に、そして無意識に、私は絵のために絵を描くのであり、物があるがままに物を描くのだ。」

※引用:PBS Treasures of the World より

牝牛や馬が何かのメタファーなのかどうかはおいておくとして
このピカソの「ゲルニカ」が有名になったのは作品から感じる怖さや悲壮感がスペイン内戦からくるもので
たった一枚の絵からなぜか感じる恐ろしさや恐怖心があり
それが戦争のこわさ、スペイン内戦のすさまじさ、なんだと強い説得力を持って本能的に訴えてくるからでは? と思います。

やはり人々はアートからでさえ何かを受け取り何かを解釈していて
作者がそれを意図しているのかにかかわらず
本能的にそういったものを受け取ってしまう。
そういったことがアートの1つの魅力なのかもしれません。

そういうわけで香取さんの絵にタイトルが欲しかった。
解釈をしたかったので。

でも、香取さんはそういった解釈を伝えるのは嫌いなのかな?
アートとして解釈なしに自由にやりたいのでしょうか?
アートなので正解も不正解もない。

「やりたいようにやればいいんです。」草彅剛はYouTubeでしきりにそういった趣旨のことを言っています。
同じようにSMAPから独立した香取さんもそいうった心境なのでしょうか?

それでもやはり、香取さんという人間にも興味がある私はタイトルは何なの? 香取さんは何を思ったの? そんなことを思いました。

そもそも芸術家としては新人の香取さんがルーブル美術館で個展を開くことには賛否両論ある様子。
確かに学校で芸術を学びコツコツ下積みをしている芸術家の方から見ると嫉妬してしまうのかもしれません。

私はアートは自由であっていいと思いますし、話題になり集客ができている時点でこの個展は成功した、と言っていいと思います。

日本ではない異国の地で暮らす身として、こういった海外で活動をしていく著名人の方からは元気をもらいます。
私も個展を、なんて大それたことではなく小さなことですが、
日々の生活の中で少しでも海外の相手に認められるようがんばろう、そういったパワーをもらいました。
ありがとうございます。

 

 

そして最後になりますが、
ここまで絵具(えのぐ)を惜しみなく使っているアートを初めて見ました。
ものによってはもう絵具からパレットや筆にとらず直接そのまま当てたでしょ?というくらい絵具の濃いものも。
(絵具を全く惜しまない財力を感じましたw とさ。さすが~!)